マンションの管理費と修繕費

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要約すると

  • 月額管理費:  最低でも160円/㎡ → 11000円/70㎡(不動産経済研究所より)
  • 月額修繕費:  137,200円/年、11,433円/月(マンション管理センターより)
  • 月額合計:     約22,400円/月

 

管理費


 マンションの管理費は、日常の清掃や点検、設備の交換、管理会社の報酬などに使われるお金です。その金額は、新築分譲時に既に決まっていますが、果たして何を基準に金額が設定されているのでしょうか?
 通常は、実際に管理に掛かる費用にプラスして、管理業者の利益を乗せた額(一定額)となっていて、その総額を持分(専有面積比率)に応じて各区分所有者が負担しているものと考えがちです。
 しかしながら、実態はコストからの積算ではなく、分譲価格に影響を受けているようです。大規模物件だからといって、戸当りの管理費は安くなっておらず、戸数によるスケールメリットがありません。これでは、購入者の支払能力に合わせて管理費を決めているとしか思えません。本来は、受けるサービスに見合った管理費であるべきなのにです。

 

 


2005年マンション管理費等調査-「東京カンテイ」

 

首都圏のマンションのランニング・コスト(管理費+修繕積立金)は、エリアにかかわらず分譲価格に比例して決まっています。
 年間の負担額は、マンション価格の0.6%前後で、住宅ローン最長期間の35年での負担額は物件価格の20%、仮にマンションの寿命が50年とすると、その負担額は物件価格の30%にもなるのです。

 

 


2006年マンション管理費調査-「不動産経済研究所」

 

首都圏のマンションの1m2当り管理費は、見事に分譲価格に比例した結果となりました。もちろん分譲価格が高いマンションは、共用施設やサービスなどが充実しコストが嵩むものと思われますが、それだけでは3.5倍の差は説明つきません。

分譲価格:~ 39.99万円/m2 → 管理費:163.81円/m2
分譲価格:~ 49.99万円/m2 → 管理費:170.35円/m2
分譲価格:~ 59.99万円/m2 → 管理費:186.35円/m2
分譲価格:~ 69.99万円/m2 → 管理費:188.20円/m2
分譲価格:~ 79.99万円/m2 → 管理費:210.00円/m2
分譲価格:~ 89.99万円/m2 → 管理費:228.57円/m2
分譲価格:~ 99.99万円/m2 → 管理費:260.92円/m2
分譲価格:~149.99万円/m2 → 管理費:305.33円/m2
分譲価格:~199.99万円/m2 → 管理費:409.83円/m2
分譲価格:200.00万円~/m2 → 管理費:568.58円/m2

 

 


管理費の内訳

 

マンション管理業者に全部委託している場合、管理費の内訳を明示しないケースがあるようです。必ず明細を提示してもらい、作業科目ごとに費用を理解することが大事です。それにより、再委託業務のマージン是正や、コストパフォーマンスからみた管理内容の見直しも可能になるのです。
 以下、主な管理費支出科目です。

・管理業務費(事務管理・管理員人件費・緊急対応・管理報酬)
・設備管理業務費(保守点検・営繕費・植栽)
・清掃業務費
・水道光熱費
・損害保険料
・管理組合運営費
・その他備品・消耗品費

 

 

修繕積立金


 マンションの修繕積立金は、屋上の防水や階段等の鉄部塗装、外壁の修繕など、10年~15年に1度行われる大規模修繕のための積立金です(鉄部塗装は5年に1度)。その金額は、管理費と同様、新築分譲時に既に決まっていますが、果たして何を基準に金額が設定されているのでしょうか?
 本来は、大規模修繕の費用を想定し、その総額を持分(専有面積比率)に応じて各区分所有者に割り振り、10年間で積立てられるよう月額を決めなければなりません。しかしながら実態は、その金額より、かなり低く設定されているのが一般的です。これは、デベロッパーが販売を優先したいという思惑が強いためです。
 残念ながら、入居後3年ぐらいを経ると、管理業者より大規模修繕の計画が理事会に提出され、初めてそこで積立金が足りなくなることを理解します。そこから、不足分をどうするかという議論が始まるのです。

 

 


修繕積立金の相場

 

大規模修繕費用は、マンションの規模だけでなく設備によっても大きく変わってきます。このため、相場といえるほどはっきりしたものはありません。一般的に修繕積立金は、m2当り150円とも、200円~300円が目安ともいわれています。また、大規模修繕工事費は、戸当り100万円~200万円が必要ともいわれています。

 社)高層住宅管理協会では月額12,000円~16,000円が望ましいとしています。
 また、国土交通省『平成20年度マンション総合調査結果について』によれば、月額10,898円(駐車場充当分を含めると11,877円)となっています。

 

 


マンション管理センターの修繕費試算

 

財)マンション管理センターで、8階建75戸(専有面積69m2/戸)のモデルを想定して、積立金の必要額を試算してみた結果、戸当りの年間必要額は137,200円、月額では11,433円となっています。

外壁: 700,000円 / 12年 = 58,300円/年当り
鉄部塗装: 66,000円 / 4年 = 16,500円/年当り
屋上防水: 59,000円 / 12年 = 4,900円/年当り
給水管: 279,000円 / 20年 = 13,900円/年当り
雑排水管: 134,000円 / 20年 = 6,700円/年当り
ガス管: 34,000円 / 30年 = 1,100円/年当り
電気設備: 148,000円 / 20年 = 7,400円/年当り
給水設備: 241,000円 / 25年 = 9,600円/年当り
エレベータ設備: 200,000円 / 30年 = 6,700円/年当り
診断等費用: 145,000円 / 12年 = 12,100円/年当り
合計:  137,200円/年当り

※数字は、修繕工事費/修繕周期(年)= 年当り必要額

 

 


住宅金融支援機構の修繕費『優良中古マンョン基準』

 

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が設定している『優良中古マンョン基準』における平均修繕積立金は、以下の通りとなっています。

・経過 1~ 4年目 →  6,000円/戸
・経過 5~ 9年目 →  7,000円/戸
・経過10~16年目 →  9,000円/戸
・経過17年目以降 → 10,000円/戸